あいまいな黄身
あれは夢だったのか
朝ごはんの半熟目玉焼きの黄身をつぶしながら
いつか見た夢を思い出そうとしてみるが
夢を思い出そうとしているのか
実際行った場所なのかがわからない
でも確かにあんなところにいた
というのだけははっきり覚えていて
床の木目とか
高い天井から床までひきずりそうな重いカーテンの色とか
千切れかけたリボンとか
窓から差し込む陽射しとか
外に生えてる雑草の色や丈
水たまりに映る青い空の白い雲とか
少し開いてる窓から吹いてくる柔らかい風とか
その風が窓から外を見ている君の横顔を撫ぜて運んでくる
優しい匂いとか
そんなものを
僕はふっと思い出すことがあるんだけど
それが現実なのか夢なのか
もうわからなくなってしまっている
そこにいた君が夢なのか現実なのか
もうわからなくなってしまっている