ゴミばあちゃん
さっき
ごみ出しに行ったら思い出した
前に住んでいた住宅の隣の
ちょっと品のいいおばあちゃん
ごみの日の朝になると
コンコン
ドアをノックする音
開けてみると片手一杯ほどのごみを手のひらに乗せ立っている
「お宅のごみの中にまぜてもらえんかしら」
一人暮らし
おばあちゃん
出るごみも少ないんでしょう
仕方ないので一緒に出しましたよ
一度それやったら次のゴミの日も
その次も
あるとき
今日は来ないのかな
と思ってゴミ出してきました
そしたら来ました
「もう出してしまいました」
というとおばあちゃんちょっと困った顔してドアを閉めました
おばあちゃんどうするんやろな
と思ってトイレの窓から見てると
手のひらのごみ、落とさないようにゴミ集積所までもっていって
比較的まだ余裕のありそうなゴミ袋を探して
その中につっこんでそそくさとおうちへ入っていきました
ゴミばあちゃん
いつも小花柄の襟のあるブラウス着てる
ちょっと品のいいおばあちゃん
その後も
おばあちゃんがゴミ袋を集積所まで運んでいる姿は一度も見たことありませんでした