黒い床板
低いところを照らす黄色い灯りの下
読みかけの本を開く
ずんどうのカップいっぱいに出てくるコーヒーをすする
今夜の音楽はCASH
いつもごきげんな音楽でやってくれる
いつも聞いてるはずの音楽も今夜はもっとかっこよく聞こえる
床板は黒ずんでカラフルな膝掛けが色を添える
後ろの男女がハンバーガーをほおばる
ピクルスをかじる
ここに来ようと思ってくるときも
時間ちょっとあるなってときにくるときも
いつもどんなときにきても
知り合いが一人もいなくて
ここは失敗がなく
なんともほっとして
なんともいい気持ちにしてくれる
その小さなお店はガラスの扉をキィと開けて奥へ進むと
昔見たクリスマスの映画のシーンのように
そこにそっとある