振り返るにはまだ早い2012年

女神ちゃん

2012年10月02日 21:53

何かを手にすると何かを落っことす
ひとつに気をとられてると全体が見えない
喋ってばかりいると大事なことを聞き逃す
家にばかりいると風が入ってこない
食べてばっかりいると太る
寝ていると時間をワープする
傷つくと人に会いたくなくなる
そのくせ優しくされたい
優しくされるととてもうれしい
風鈴が鳴るのは秋のはじめ
落ち葉が舞い散るのは冬の訪れ
喉が渇くのは何かを手に入れたいから
満足するのは満腹になる手前
目に見えないのは信じないから
人の話を聞かないのは自分の考えを押し付けたいから
端から人のこと嘲笑ってるから
動物がかわいいのは嘘つかないから
花がきれいなのは自分をだまさないから
口笛を吹くのはさみしいから
歌を唄うのは欲求だから
求められたら差し出すのかっていえばそうでもない
気が向いたときに散歩に出る
電信柱にしっこひっかける
でも呼ばれたら尻尾振っておすわりする
いつでも出入り自由で犬のように鎖で縛られない
人の膝に入ったと思ったら尻尾で隣の人の膝撫でる
顎を撫でると喜ぶが寝ているときに触ると怒る
寝たいときに寝て
食べたいときに食べる
甘えたいときに甘え
日向の暖かいところを好む
でも死を予感すると人知れず墓場を求めいなくなる
死ぬときはたったひとり帰っていくだけ
欲まみれの人はたくさんいて
いつも隣人を脅かす
電車のつり革にぶら下がって新聞を細かく折って小脇に挟む
制服のスカートに手を差し込んで家に帰って妻のご飯を食べて風呂に入って眠る
誰が何かを言ってくれるはずもなく
衰退消耗の一途
子どもの寝顔が唯一の希望
寝ている間は肉体の休息で
魂の自由を遊ぶとき
目が覚めるとそこは現実で
重く暗い事実を突きつけられる
ほとんどすべての用件はメールですんでしまう世の中で
表情の読み取れない大バカ者どもが
人の心を斬りつけて
自分の心も切り刻む
刻んだ心のかけらを集めて一塊にして
そこに命の水を一滴たらしたら
そいつは音楽になるのかな
音楽はいつも耳の奥
頭の真ん中で鳴っていて不安や寂しさを包んで持ち去ってくれる
河はいつも水を蓄えて
空の雲は高くあり
口笛を今日も吹くのは唇に唄があるから
幸せと不幸せは交互にやってくるのでなく
同時にそこに混在するのだな







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