開いてるドアにはご用心を
こんな冬の日でも
天気がいいと開けたくなります、扉
玄関開け放して
あー気持ちいい
さぁてココア飲もう
と座ったとたん
プルルルル
インターホン鳴ります
家中開け放っているので筒抜けで
さすがに居留守使うには気が引ける
はいー
と出て行くと
おばちゃんひとり
「こういう本を配っているのですが」
「はぁ・・・」
こういうアパート・住宅に住んでいると
セールスや勧誘が一軒家に比べて圧倒的に多い
洗濯物や玄関の鉢植え
自転車や三輪車
車の有無、車種などを観察して彼らはやってくるようです
それにしてもこういったセールスや勧誘でうまいこと商売できるものなんだろうか
知らない人が訪ねてきたらまずほとんどの人が警戒するというのに
「お子さん今おいくつになられました?」
などと親近感を前面に出し警戒心をといてこようとするが
こちらは相手のことをぜんぜん知らない
なのに
「この前お伺いしたときはまだ小さいってお聞きしてたのに
そうですか、もうそんなに大きくなられたのですか」
やと
あーおそろしい
丁重にお断りいたしましたが
そういえば
以前住んでいた住宅に
いわゆる姉御肌で気前のいいおばちゃんがいました
縦にも横にも大きい人で
社交的で面倒見がいいのでいつもおばちゃんちには人の出入りがたえませんでした
おばちゃんちはちょうど真裏だったので
わたしにしては珍しくほんとにいつも行ったりきたりしていて
ほんとにかわいがっていただいておりました
夏のある日
いつものようにおばちゃんちの居間で子どもとアイスクリームいただいていると
ピンポーン
開け放している玄関から
「ごめんくださーい」
と声がする
おばちゃん、
「はいはいー、どうぞー」
「あのー、こんにちはー」
「はいはいどうぞー、あがってきてくださいなー」
するとスーツ姿のセールスマンが暖簾かきわけて
「おじゃまします」
と居間まで入ってきたのでした
「あんただれ??」
と交友関係の広いおばちゃんも
びっくりしていたのでした
そしてこれはまた別のある暑い夏の日
あんまり蒸し暑いので家中の窓を開け
おばちゃんちの玄関側になる裏の庭にホースで水を撒いていました
おばちゃんちも相変わらず暖簾はかかってますが玄関全開です
とそこへ
おばちゃんの知り合いの業者さんがやってきました
営業者を玄関前に止め車から降りられ
目があったのでこんにちは
と挨拶しました
「おいーす」
そのままその業者さんはおばちゃんちの玄関の暖簾をかきわけて
ギャーーーーー!!!!
おばちゃん
あんまり暑かったので
ガードルとブラジャーだけで玄関上がりたての台所で顔洗っていたのです
体重100キロ近いおばちゃん
岩のように強いおばちゃん
その悲鳴はその業者さんのものだったに違いありません
「びっくりしたわ、もう!」
「なにさらすんじゃ!こっちが腰抜かすわ!!!」
と聞こえてきたあと
業者さんは転がるように慌てふためいて車に飛び乗り帰っていきました
とまぁ
冗談のようなほんとの話なんですが
開いてるドアには気をつけましょうね
ということで
本日も全開です
でも「セールス、勧誘お断りです」
という札がホームセンターに売っているが
あれは効果あるんでしょうかね