夏休み

女神ちゃん

2015年07月27日 00:51

毎日暑いですね
高山ってこんなに暑かったかな
と膿んだ脳で考えてみる

まだ小学生だった頃、夏休み
ラジオ体操のあと川のそばの栗の木にクワガタやカブトムシを捕りに行った
そいつを市内のホームセンターに売りに行っては小遣いにした
帰ってから水やに浮かんでいるキュウリやトマトに塩をつけてをかじり、朝顔やヒマワリに水をやった
午前中は勉強の時間なのでちょっとだけ夏の友を広げたりして、工作のところからやったりした
お昼はテレビ「あなたの知らない世界」をちらちら見ながら素麺を飲み込み、またしてもキュウリをかじる
そして1時を待って水着に着替えアマとモリを持って自転車にまたがり川へくりだす
川の水はちべたいので一応準備体操らしきものをしてそうっと入水
流れのゆるいところには小さなメダカ(ほんとはアブラメという魚)がたくさんいて、人が来るとさっと岩の陰に身を隠す
アマの内側が曇らないように柳の葉を揉んでガラス面にその汁を揉みこんでつける
川の深くなってるところには上級生の兄ちゃん達がモリを持って潜り、アマゴを狙う
流されないようにつないであったタイヤチューブの浮き輪に捕まって深みまで連れてってもらい、モリで突く
けど兄ちゃんたちのように魚なんてとれない
それでも夢中になってモリ突きをした
寒くなると大きな岩に上り温まった岩に体をくっつけて温めた
それでも時間いっぱい唇が青くなるまで川で遊んだ
夕暮れ時は河童が出て尻子玉を抜くというので、その尻子玉がなんなのかよくわからなかったけど、
なんとなくさみしい時間がやってきてあわてて自転車に飛び乗って帰った
家に帰るとばあちゃんが水やで冷やしてくれていたスイカを切ってくれて、新聞紙を広げ、
縁側に座り、弟と種を飛ばしながら無心に食べた
泳いだけだるさで睡魔が襲ってきて、仏間たどり着き横になるとすぐ眠りに落ちた
カビ臭いようなほこり臭いような匂いと、ザーという雨の音に起こされると、
夕立ちであたりは薄暗く、横に寝ていたはずのばあちゃんの姿もなく、
かわりに仏間の壁に飾られている死んだ知らない白黒の大じいちゃんや大ばあちゃんの写真が、ニヤッと笑っていた
さっき見た「あなたの知らない世界」が急によみがえってきて、あわてて仏間を転がり出て、ばあちゃんを探した
ばあちゃんは台所でみそ汁の出汁をとり、夕飯の支度を始めていた
煮干しの煮え立つ匂いにほっとしたらのどが渇いてきたのでまたトマトをかじり、部屋の電気もつけないまま、
テレビだけ付けて夕方のアニメなんかを見て一日が終わった



あの頃の夏はこんなに暑かっただろうか
こんな暑さだっただろうか


寝る前に思い出してみた







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