木こりのおじいさん
久々の病院シリーズいってみます
前に書いたかもしれないけど
認知症の上田さん(仮)のお話します
わたしはとある町の総合病院に勤務していました
これまでのお話 →→
普通のお仕事
普通のお仕事2
Xさん、
2、
3、
4、
5
労働者のまち
婦長
酸素ボンベの瀬上さん
瀬上さん 2
瀬上さん 3
瀬上さん 4 最終話
病院シリーズですか
夏向け 病院のハナシ
夏向け 病院のハナシ 2
夏向け 病院のハナシ 3
お馬さん
お馬さん 2
お馬さん 3
お馬さん 4
お馬さん 5 最終話
オペ室勤務
オペ室勤務 2
オペ室勤務 3
オペ室勤務 4
オペ室勤務 5 最終話
上田さんは担当じゃない上に、別チームの患者さんだったので病気のことはほとんど覚えてないのですが
ベースに呼吸器系の慢性疾患があって、それが悪化し入院してきました
小柄なかわいいおじいちゃん
そうだな 82、83歳くらいかな
背中も丸くなってて、髪は真っ白で顔も小さくてなんか小人の木こりのような
森の妖精のような
とんがった赤い毛糸の帽子が似合うようなかわいいおじいちゃん
わかります?この感じ
ナースコールが鳴って訪室すると
宙を指差して
「鳥が飛んどる。歌がきこえる」
とか
ベットの布団の上を目で追うように
「ネズミが運んでった」
とか言うんです
ね 木こり小人さんでしょ?
そんなある日、事件は起こりました
上田さん、肺に入っているカテーテルを自己抜去してしまったのです
再挿入も検討したようですが、最抜去も考えられるため危険なので挿入せず経過観察となりました
ナースコールが鳴って訪室すると上田さん、両手で頭を抱えてるんです
「どうしたの?上田さん」
「・・・」
「大丈夫?どうしたの?」
とかがむと
「言うに言われぬ悪いことをした」
「ん?」
「言うに言われぬ悪いことをした」
上田さん、自己抜去のこと言ってるんだろうか
「そうなの?なんか悪いことしたの?」
「・・・」
あいかわらず頭を抱えています
なんかかわいそうになってしまって
「してしまったことはしかたないですよ。それでそのしてしまったことで上田さん困ってるの?」
と聞くと
「すっきりした」
というのです
なんだか嬉しくなってしまって
「そっか。そんならよかったじゃないですか」
(よいのか???)
「・・・」
カテーテル(自己)抜去してしまったのでまたベット上安静に逆戻りです
もぞもぞと上田さん布団に潜り込んで頭から布団かぶって寝てしまいました
すっきりしたのに安静か
退屈やろうなぁ
その日は深夜勤入りでした