スキマ

昨日はどしゃぶりのあと　西のそらが不思議な色でした

あたりまえですが沈む陽があるってことは　反対側は陽が昇るってわけで

ムコウっかわもこんな色の空で一日が始まるのかな　などとふと思ったり


雨上がりの蒸気のにおいで子どものころの夏休みの夕立をふっと思い出したり



小学生の私は川から帰ってあんまり暑いんで家の中の涼しいところを探して家の中をうろうろして

仏間がどうしたって一番涼しいんで　ごろりと横になり

壁に掛かった私の知らない死んだおおばあちゃんやおおじいちゃんの白黒の写真見ながらいつしかうとうと・・・


ふと雨のにおいがして目が覚めると　あたりは夕立で薄暗く

家の中は誰もいないのかしんとして

そのうちにザーッという音がやってきて　雷がドカーン

稲光も激しく　ますます家の中は薄暗く

壁に掛かった白黒写真の中の私の知らない死んだおおばあちゃんの金歯がやたらと光り

壁に掛かった白黒写真の中の私の知らない死んだおおじいちゃんの着物から伸びる首がやたらに長く見え

慌てて仏間から飛び出すと

居間で私の知ってる生きてるじいちゃんがはだかで新聞紙を広げてスイカを食べていた