sandy a sandglass
noniは待っている
窓の下の椅子によじ登り 白い切り抜いたような少し高い窓から 白いすべるような向かいの壁を眺め
今か今かと待っている
見上げると 空は青い
身体を乗り出し 両の手の指を使って四角を作る
noniの手の中に窓ができた
noniの窓には切り抜いたような青い空があった
そこへ雲が流れ込んでくる
ゆっくりと ゆっくりと
noniの窓に白くてやわらかそうな丸い雲が浮かぶ
ゆっくりとゆっくりと形をかえてちぎれていく
noniはそっと窓を動かした
noniの窓にゴムのように弾みそうな雲が下から顔を出した
夏の積乱雲は動かない
地平線に近いところで空に向かってにょきにょきと生えている
noniの窓は動かない
その間も雲は下の方からにょきにょきと けれどゆっくりゆっくり生え続けている
noniの窓は動かない
noniの窓の中の雲も動かない
noniの家の
noniがのぼっている椅子のその後ろの
壁に置いてある茶色いタンスの上の砂時計の砂だけが さらさらと
さらさらと
静かに あふれて床に落ちていた
Posted by 女神ちゃん at
◆2010年07月03日15:36
│スキマ