墨汁の砂

赤い橋のたもとを通りますと
松の枝がもくもくと生い茂り
山の稜線は下弦の月に照らし出され
墨を零したようにくっきりとその境界をあらわにし
街燈に照らしだされたガードレールは切り絵のように影を落とし
青白い蛍光灯は蛾の鱗粉をまとい
白蛇の皮は形を残さず
月はその影さえも椅子の足の下に覆い隠し
わたしは薄い硝子でできたドレスの裾を踏まないよう
自転車のペダルをそっと漕ぐのです







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Posted by 女神ちゃん at ◆2011年10月20日00:42スキマ
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