季節外れの夢
川にかかる橋にいました
小さな川 小川とよぶような小さな川にかかる小さな橋
その上にいて
私は
誰かと川面を覗き込んでいたのです
辺りは夜です
川面を見ていると自分の顔がシルエットにになってゆらゆら揺れて
ぐにゃぐにゃになって写っています
水は流れています
とめどなく
蛍がひとつふたつ飛び交い
草むらに消えゆきます
草の先には露が珠になってくっついてその葉をゆるい弓にカーブしています
「あぁすごい 月が流れてきた」
「あれは三日月かな」
「あれは十三夜月」
二人の子どもは川上から次々と流れてくる月を見てははしゃいでいます
水に浮かぶのではなく
水面の下をお盆のように流れる月
その色は空に上がる月と同じ山吹色でその模様も薄くグレーにちゃんと写りこんでて
まったく誰が上流でそんなものを流しているのか
でもわたしにはそれが造りものでないということがわかっていました
どれもぜんぶ本物の月だってわかっていました
Posted by 女神ちゃん at
◆2012年01月24日22:24
│スキマ