育っておる
昨日見たら
三つ葉の葉を茎一本分全部食べてしまっていた
まるまるしてきた
他の茎に移そうとしてつまんでみたら
オレンジ色の触覚をにゅーと出して威嚇してきた
臭い
まちがいない
これはキアゲハの幼虫
小学生のとき
夏休みの自由研究でキアゲハの幼虫を飼育した
畑からにんじんの葉っぱにくっついている幼虫を数匹捕獲
田舎の家なので部屋はたんとあり
一部屋をいもむし部屋にして飼育したのだ
ちゃんと全部に名前をつけ(といっても1号2号とか。7号くらいまでいた)
畑からにんじんや大根、キャベツなどいろんな葉を取ってきては
嗜好を調べたり
秤を使って体重や身長の成長等を比べたり
触覚の色やにおい
糞の数、模様の変化などをスケッチも入れて事細かに記した
不思議なもので全部同じようでも毎日見ていると
どれが1号でどれが2号かわかるようになる
向こうもわたしがわかるのか
近寄ると
「早く葉っぱくれよー」
というような顔をする
ように見える
したがって愛着愛情もわく
いもむしでも
葉を食べているだけの幼虫のうちなら葉っぱの上を離れないんだけど
さなぎになると高いところへ移動する
そうすると一晩でどこかへ行ってでさなぎになっているので探すのに大変だった
大抵はカーテンの裏や壁にくっついていた
みんなさなぎになってしまうとあとは退屈
葉っぱはもう食べないから畑から葉っぱとってくる必要なし
ただキアゲハが生まれくるのを待つのみ
キアゲハの羽化は朝方起きる
ラジオ体操へ行く前に早起きして
さなぎの変化を確かめる
羽化が近いさなぎは中でぐにゃぐにゃ動いているからわかる
ラジオ体操のあと栗の木の下へカブト虫を採りに行って帰ってくると
もうさなぎからキアゲハになっていた
殻にくっついてしわしわの羽根を乾かすように
じーっとしている
こちらもじーっとみる
なんともいえない緊張のとき
羽根のしわはまだ完全に伸びきらず
色も安定してないようにみえたが
しびれを切らしたように
キアゲハは舞い降りた
いったんふわりと下へ
落ちるかと思いきやそのまま上へと舞い上がった
カーテンを開ける
窓を開ける
キアゲハはひらりひらりと
生まれたばかりの羽根を上下にしながら
まだ慣れないこのバランスの悪い羽根を
たどたどしく
それでも力いっぱい羽ばたいて
大きく開いた窓から
外の世界へとまさしく羽ばたいていった
Posted by 女神ちゃん at
◆2012年07月24日13:20
│スキマ