スキマ

咳が出る
真夜中に
こんこん

二つ三つ

鼻まで引っぱりあげた毛布の衿元が
吐く息で湿る

外は氷点下
我が家の寝床もきっとそれに近い

灯りを消して布団にもぐっていると
外は雪明かりで明るいから
すぐに目が慣れてきて
カーテンの向こうの外の世界が
見えてくる

真夜中の
音ひとつない
氷に閉ざされた雪国の
その小さな街の
ほんのちいさな
街灯の燈るところ


こんこん

咳をしてみては
静けさを知る


真夜中の咳

寒いけど
雪国もそうわるくない






それにしても
今夜の三番「お疲れさまセット」
そそられる