スキマ

高山まで帰るのに特急使うのか、
各停の鈍行で最寄り駅で降りるのか
考えた結果、特急で高山まで行かないと今日中に家に着かない
切符売り場で特急券を買って目ん玉が飛び出る
高山遠いな
とぐったりしながら電車を待つ
ホームに入ってきた電車はこれで間違いないのか不安になっていると、
見知らぬ髭のおじさんが横に立つ
「この電車で間違いないですか？」
と聞くと、
「これで間違いないですよ、なんならわたしがご案内しましょう」
と一緒に電車に乗り込む
車両の中は一列シート
しかも横一列の
特急なのに
へーと感心したのが、車両自体が弧の字にゆるくカーブしている
「これでスムーズにカーブ曲がるんですよ、なにより景色もとてもよく見渡せます」
二人で並んで座って向かいの窓を眺める
渓谷を走る電車
柔らかい緑が美しく、上部が少し開いた窓から木々の匂い
知らない町へ向かうようなワクワクとドキドキ
これから帰る場所へ帰るのはわかっているはずなのに、なにかおもしろいことが待ってるようなドキドキ
ガタタンガタタン
電車は住宅街や田園を抜けてゆっくり走る
ゆっくりゆっくり特急列車は知らないような見たことあるような景色を縫って走ってく

という夢をみた