X さん 2
婦長へ伝えたところ、婦長が同席するのであなたは準夜の仕事をするようにとのこと
個室301号の呼吸器つけた患者さんから廻る
血圧を測り、検温、SpO2(酸素飽和度)、モニターチェック
尿量チェック
痰の吸引
特にかわったことなく淡々と仕事はすすむ
体位交換を終え、衣類のしわを整えて
耳は隣の302号室に釘付け
ガターン!
「ほんとになにも覚えていないっていうんだな?!」
などと荒っぽい声は聞こえてこない
ここは病院であって、取調べ室ではない
壁一枚、コソコソ話声は聞こえるが内容までは聞き取れない
301号の患者さん、呼吸器つけて眠ってる
壁に耳をくってけてみた
やっぱり聞こえない
ちっ
視線を感じ振り向いたら呼吸器の患者さんが起きてこっちを見てた
わけない
仕方ないのであきらめて大部屋を廻ることにした
305号の女性部屋はお上品で居心地がいい
窓際のベットのSさんは元教師
こちらが言うまでもなくご自分できちんと検温していてくださる
同室の患者さんのお膳を下げたりカーテンを引いたり
いろいろ助けてくださる
この部屋は和む
軽い冗談を言いながら問題なくさらっと終了
306号室 ここはちょっと重い
喘息の患者さんが2名
喘息は夕方や朝方の気圧の変化に発作を起こすパターンが多く
今まさに始まろうとしている
「かんごふさん 吸入してくる」
と言ってゼーゼーいいながらご自分で酸素ボンベを押してナースステーションへ向かう
307号室 気が重い
男性部屋
手前の二人はおとなし目の老人
問題は窓側の二人
「わー!たんぽぽちゃんきたきた~。待ってたよー。今夜トランプやろうぜ」
何事か わたしは仕事に来ているのである
「はい、検温します。Tさん、体温計はさんでください。夕飯は?今日は何回吸入しました?」
「なーなー、たんぽぽちゃん今日の夕飯のおかず味付け薄いよ~。しょうゆちょうだいよ。」
「病院食は患者さん個別に合わせて考えてあります。入院中に食事コントロールするのも患者さんの努めです。それとわたしはたんぽぽちゃんではありません。」
この患者さんは小柄でちょっとぽっちゃり、ベースに糖尿があり、喘息も持っているという珍しいパターンである
糖尿はマイペース、のんき、おおざっぱ
喘息は神経質
分けちゃ悪いがこんな感じ
なのでこの人は相反する気質を持ち合わせている稀な人、ということになる
発作が起きると寝てられなく座って肩を使って呼吸する
ゼーゼーハーハー
Tさんは喘息発作で入退院を繰り返していて、今回は重積発作で入院してきたのだが、入院時ストレッチャー上で座り両手をついてゼーゼーヒューヒュー肩で息をして、3人がかりで搬送されてきた
その様子がお神輿みたいで
「お神輿わっしょい」
と密かに名づけたのだ
「なーなー、たんぽぽちゃん 今夜の映画ターミネーターだよ。見ていいでしょ?チョコ食べる?」
「Tさん、血糖注意!チョコは私が食べるけど、9時消灯なんで映画はだめです」
さっさとチョコは取り上げて口に入れた
「なんだよーケチー」
「テレビ見せてよー」
そういってTさんとわめくお向かいさんはボーリングの玉を足に落っことして骨折したなんとも間抜けな青年である
「トランプは貸しますが、一緒にはやりません」
何日か前の夜勤んときは一緒にやったけど
負けたのでもうやりません
他の病室も一回りして落ち着いてるな、よしよし と
再び302号へ向かう
ちょうど刑事さんと婦長が出てきたところだった
個室301号の呼吸器つけた患者さんから廻る
血圧を測り、検温、SpO2(酸素飽和度)、モニターチェック
尿量チェック
痰の吸引
特にかわったことなく淡々と仕事はすすむ
体位交換を終え、衣類のしわを整えて
耳は隣の302号室に釘付け
ガターン!
「ほんとになにも覚えていないっていうんだな?!」
などと荒っぽい声は聞こえてこない
ここは病院であって、取調べ室ではない
壁一枚、コソコソ話声は聞こえるが内容までは聞き取れない
301号の患者さん、呼吸器つけて眠ってる
壁に耳をくってけてみた
やっぱり聞こえない
ちっ
視線を感じ振り向いたら呼吸器の患者さんが起きてこっちを見てた
わけない
仕方ないのであきらめて大部屋を廻ることにした
305号の女性部屋はお上品で居心地がいい
窓際のベットのSさんは元教師
こちらが言うまでもなくご自分できちんと検温していてくださる
同室の患者さんのお膳を下げたりカーテンを引いたり
いろいろ助けてくださる
この部屋は和む
軽い冗談を言いながら問題なくさらっと終了
306号室 ここはちょっと重い
喘息の患者さんが2名
喘息は夕方や朝方の気圧の変化に発作を起こすパターンが多く
今まさに始まろうとしている
「かんごふさん 吸入してくる」
と言ってゼーゼーいいながらご自分で酸素ボンベを押してナースステーションへ向かう
307号室 気が重い
男性部屋
手前の二人はおとなし目の老人
問題は窓側の二人
「わー!たんぽぽちゃんきたきた~。待ってたよー。今夜トランプやろうぜ」
何事か わたしは仕事に来ているのである
「はい、検温します。Tさん、体温計はさんでください。夕飯は?今日は何回吸入しました?」
「なーなー、たんぽぽちゃん今日の夕飯のおかず味付け薄いよ~。しょうゆちょうだいよ。」
「病院食は患者さん個別に合わせて考えてあります。入院中に食事コントロールするのも患者さんの努めです。それとわたしはたんぽぽちゃんではありません。」
この患者さんは小柄でちょっとぽっちゃり、ベースに糖尿があり、喘息も持っているという珍しいパターンである
糖尿はマイペース、のんき、おおざっぱ
喘息は神経質
分けちゃ悪いがこんな感じ
なのでこの人は相反する気質を持ち合わせている稀な人、ということになる
発作が起きると寝てられなく座って肩を使って呼吸する
ゼーゼーハーハー
Tさんは喘息発作で入退院を繰り返していて、今回は重積発作で入院してきたのだが、入院時ストレッチャー上で座り両手をついてゼーゼーヒューヒュー肩で息をして、3人がかりで搬送されてきた
その様子がお神輿みたいで
「お神輿わっしょい」
と密かに名づけたのだ
「なーなー、たんぽぽちゃん 今夜の映画ターミネーターだよ。見ていいでしょ?チョコ食べる?」
「Tさん、血糖注意!チョコは私が食べるけど、9時消灯なんで映画はだめです」
さっさとチョコは取り上げて口に入れた
「なんだよーケチー」
「テレビ見せてよー」
そういってTさんとわめくお向かいさんはボーリングの玉を足に落っことして骨折したなんとも間抜けな青年である
「トランプは貸しますが、一緒にはやりません」
何日か前の夜勤んときは一緒にやったけど
負けたのでもうやりません
他の病室も一回りして落ち着いてるな、よしよし と
再び302号へ向かう
ちょうど刑事さんと婦長が出てきたところだった
Posted by 女神ちゃん at
◆2011年01月24日22:34
│看護婦シリーズ