バトル
看護婦シリーズ
書いてるうちに前のがどこにあるのかわからんようになって
その度に大騒ぎになるのでカテゴリ作りました
前のも順番に仕分けいたします
まだうら若き乙女だったわたしは、とある町の総合病院に勤務していました
個室の脇田さん(仮)のナースコールが鳴ります
「はーい どうされましたか?」
「・・・」
「いまうかがいまーす」
「失礼します」
「・・・」
「どうされましたか?」
「・・・背中が痛い さすってくれ」
脇田さんは確か胆のうだったか膵臓だったかの癌でした
「どの辺ですか?ここ?」
「そこじゃない もっと上 もっと右!」
「この辺?」
「もっと右!!」
「へたくそ!もういい!!」
脇田さんは元大工の棟梁 75歳
頭はつるつる眉毛は黒々してて眉尻はぴっと跳ね上げたように上を向いていて、その下に丸い大きな目が光っています
鼻筋も通っててなかなかのいい男やったんやなぁという感じです
が、気質の荒さもその顔に表れています
最初のうちは抗がん剤の治療も積極的にしていましたがどれも効果がはっきりせず、癌細胞はゆっくりと脇田さんを蝕み今では肺や腸にも転移しており
入院時はがっちりしていた体も今は細くなってしまって、ベットの上で寝たり起きたりがやっとになっていました
脇田さんに怒鳴られ背中になんやら灰色の雲を背負ってナースステーションに戻ると、
「どうしたの?」
と先輩ナースに話しかけられます
「脇田さんに怒られました」
「え~?脇田さんに??」
「なんか脇田さん、わたしのこと嫌いみたいです わたしも脇田さん苦手です」
苦手も何も、脇田さんはわたしの担当でした 逃げれません
かわいそうやけど脇田さんも逃げれません
そういう端からまたナースコール
脇田さん
「はーい うかがいまーす」「わたしが行ってみるわ」
と先輩ナースが走っていきました
死んだ魚の目のように目の下にどろーんとクマをつくって座っていると
同期入社で先輩ナースのKちゃんがスキップでやってきます
「なんちゅう顔 ばけものか」
「Kちゃんはいつも陽気でいいね」
とため息
「上田さん、こいつのそばにおると陰気くさいのがうつるから散歩でも行きましょうね~」
なんていってKちゃんは認知症の上田さんを車椅子に乗せて鼻歌まじりに行ってしまいました
Kちゃんはさぼりの天才であり、わたしの師匠でもありました
脇田さんとこに行っていた先輩ナースが戻ってきました
「どうでした?」
「ん?なんかね アメ玉とって だって わたしも一個もらっちゃった」
そう言って先輩ナースは受け持ちの患者さんとこへ行ってしまいました
(脇田さん・・・アメ玉くらいさっきわたしが取ってあげたのに)
しばらくするとナースコール
脇田さんです
「はい うかがいまーす」
訪室すると
「なんだ お前か」
「・・・どうされましたか?」
「背中が痛い さすってくれ」
「どのへんですか?」
「そこじゃない もっと上 右!」
「この辺?」
「そこじゃない! ばかもの!」
もう泣きそうです
ていうかついさっき先輩ナースが来たときにはさすってもらわなかったんでしょうか
「お前は親は元気か」
「は?」
「親や肉親はみな元気か と聞いたんだ」
「はい おかげさまでみんな田舎で元気にしてます」
「そうか」
あとはベットの上でがりがりの身体で胡坐をかき、無言で背中をさすらせます
(あ~腕だるいな~ まだかなー)
心の声が聞こえたのか
「もういい 夕飯の後でまたやってくれ」
え またですか ?
この日は日勤で夕飯を出したらさっさと帰ってみんなでカラオケです
のはずなんですけど・・・
「脇田さんが夕飯の後に背中さすってほしいって言ってました またたぶんコールされると思います」
一応準夜のナースに申し送っておきます
エレベーターのドアが開きおいしそうな匂いが漂ってきます
夕飯出しです
栄養士の新田さんがガラゴロと配膳車を押してきます
「あ たんぽぽちゃん がんもどき余ったの持ってく?」
「いるいる!」
「後で寄って」
大病院なのにこんなことがまかり通るのもこの病院ならではです
「脇田さーん 夕飯です」
脇田さん、窓の外を見てぼんやりしています
書いてるうちに前のがどこにあるのかわからんようになって
その度に大騒ぎになるのでカテゴリ作りました
前のも順番に仕分けいたします
まだうら若き乙女だったわたしは、とある町の総合病院に勤務していました
個室の脇田さん(仮)のナースコールが鳴ります
「はーい どうされましたか?」
「・・・」
「いまうかがいまーす」
「失礼します」
「・・・」
「どうされましたか?」
「・・・背中が痛い さすってくれ」
脇田さんは確か胆のうだったか膵臓だったかの癌でした
「どの辺ですか?ここ?」
「そこじゃない もっと上 もっと右!」
「この辺?」
「もっと右!!」
「へたくそ!もういい!!」
脇田さんは元大工の棟梁 75歳
頭はつるつる眉毛は黒々してて眉尻はぴっと跳ね上げたように上を向いていて、その下に丸い大きな目が光っています
鼻筋も通っててなかなかのいい男やったんやなぁという感じです
が、気質の荒さもその顔に表れています
最初のうちは抗がん剤の治療も積極的にしていましたがどれも効果がはっきりせず、癌細胞はゆっくりと脇田さんを蝕み今では肺や腸にも転移しており
入院時はがっちりしていた体も今は細くなってしまって、ベットの上で寝たり起きたりがやっとになっていました
脇田さんに怒鳴られ背中になんやら灰色の雲を背負ってナースステーションに戻ると、
「どうしたの?」
と先輩ナースに話しかけられます
「脇田さんに怒られました」
「え~?脇田さんに??」
「なんか脇田さん、わたしのこと嫌いみたいです わたしも脇田さん苦手です」
苦手も何も、脇田さんはわたしの担当でした 逃げれません
かわいそうやけど脇田さんも逃げれません
そういう端からまたナースコール
脇田さん
「はーい うかがいまーす」「わたしが行ってみるわ」
と先輩ナースが走っていきました
死んだ魚の目のように目の下にどろーんとクマをつくって座っていると
同期入社で先輩ナースのKちゃんがスキップでやってきます
「なんちゅう顔 ばけものか」
「Kちゃんはいつも陽気でいいね」
とため息
「上田さん、こいつのそばにおると陰気くさいのがうつるから散歩でも行きましょうね~」
なんていってKちゃんは認知症の上田さんを車椅子に乗せて鼻歌まじりに行ってしまいました
Kちゃんはさぼりの天才であり、わたしの師匠でもありました
脇田さんとこに行っていた先輩ナースが戻ってきました
「どうでした?」
「ん?なんかね アメ玉とって だって わたしも一個もらっちゃった」
そう言って先輩ナースは受け持ちの患者さんとこへ行ってしまいました
(脇田さん・・・アメ玉くらいさっきわたしが取ってあげたのに)
しばらくするとナースコール
脇田さんです
「はい うかがいまーす」
訪室すると
「なんだ お前か」
「・・・どうされましたか?」
「背中が痛い さすってくれ」
「どのへんですか?」
「そこじゃない もっと上 右!」
「この辺?」
「そこじゃない! ばかもの!」
もう泣きそうです
ていうかついさっき先輩ナースが来たときにはさすってもらわなかったんでしょうか
「お前は親は元気か」
「は?」
「親や肉親はみな元気か と聞いたんだ」
「はい おかげさまでみんな田舎で元気にしてます」
「そうか」
あとはベットの上でがりがりの身体で胡坐をかき、無言で背中をさすらせます
(あ~腕だるいな~ まだかなー)
心の声が聞こえたのか
「もういい 夕飯の後でまたやってくれ」
え またですか ?
この日は日勤で夕飯を出したらさっさと帰ってみんなでカラオケです
のはずなんですけど・・・
「脇田さんが夕飯の後に背中さすってほしいって言ってました またたぶんコールされると思います」
一応準夜のナースに申し送っておきます
エレベーターのドアが開きおいしそうな匂いが漂ってきます
夕飯出しです
栄養士の新田さんがガラゴロと配膳車を押してきます
「あ たんぽぽちゃん がんもどき余ったの持ってく?」
「いるいる!」
「後で寄って」
大病院なのにこんなことがまかり通るのもこの病院ならではです
「脇田さーん 夕飯です」
脇田さん、窓の外を見てぼんやりしています
Posted by 女神ちゃん at
◆2012年04月11日22:52
│看護婦シリーズ