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バトル 7 最終話

それから何日かして
眉毛が脇田さんそっくりの白髪まじりの男性が
家族を連れてやってきました
その中には長身で黒い目が印象的な
脇田さんにそっくりの若い男性がいました

医師からの入浴許可はおりなかったため
ベッド上での手足浴をしました
もちろんそのそっくりのお孫さんも一緒に


「脇田さん、あっついお湯足しますよ」

目を閉じてる脇田さん
いつも難しい顔してる脇田さん
目の端がかすかに笑ってる

湯船に入ってるみたいに


「じいちゃん、気持ちいいか」


「ん 」








わたしの症例発表は
結果さんざんでした
ぜんぜんまとまりませんでした
まとめる気もありませんでした
無理でした




脇田さん、めちゃくちゃけんかしたけど

脇田さんのこと最初きらいやったけど

脇田さんのバカアホまぬけ好きやったな



ベッドの横でかくれて食べたせんべいやら団子もうまかったな

うなぎもうまかったな



脇田さん、お孫さん建築士になるんだって言ってたよ

脇田さんに似てなかなかの男前だったよ



脇田さん いろんなこと教えてくれてありがとう


「お前みたいな素直じゃない女は知らん!ほんとに看護婦か」

と言われたけど

お互いさまやで



素直じゃない脇田さん

最期はつっかえがとれたようにすっきりした、ほんとに眠るような顔で

勝手だけどわたしにはそう見えんだな


そしてわたしですが

やっぱりまだ看護婦やってます

あの日あの時
あれでよかったのかな

なんて

思うこともよくありますが


看護婦やってます


疑問だらけですが看護婦やってます








  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月14日00:26看護婦シリーズ

バトル 6

病状が変わったとき、状況が変わったとき
本人や家族に説明をし、今後の治療法
それに対する問題、目指す方向などを話し合います

今回は奥さんへ現在の病状説明、本人にどこまで話すか
の確認です

「あまりよくない状態です。抗がん剤の期待もあまり望めませんし、体力を奪うだけのようです。会わせたい人がいたら意識のあるうちに」

「本人には胃潰瘍ということで通したいんです。気丈に見えますがほんとのことを知ったら、どうなってしまうか・・・」
と奥さん

脇田さん、脳にも転移していました
そのせいか
体中の痛みはあまり訴えませんでした
ただ
食欲は落ち、腹水が貯まってきており
前のような威勢のいい脇田さんではなくなってきていました



脇田さんに会いたい人
脇田さんが会いたい人


脇田さんに会いたい人は
会いにこればいい

脇田さんが会いたい人は


脇田さん会いにいけないじゃん


脇田さん
今どうしたい??



「脇田さーん、夕飯です」

「食べたくない」

「そうかぁ  なんか食べたいものとかあります?」


「うなぎ  うなぎ屋で食べたい」

「ん~うなぎ屋か」


しかし外出許可はおりません
しかたなく出前を取ることにしました
奥さんと脇田さん、それになぜかわたしも
三人で病室でうなぎ
いいにおい

でも脇田さん半分も食べないうちにお腹いっぱいだといって横になりました

脇田さんの眺める空には何がみえるのかな


食べ物残すのきらいなわたしも
この日のうな重は最後まで食べてしまえませんでした




いつものように背中をさすっていると

「なぁ おれは胃潰瘍なんかじゃないだろ  癌なんじゃないのか?」



「ただの胃潰瘍でこんなに痩せてしまうはずがない。もう治療のしようがないのか。ほんとのことを言ってくれ」


「脇田さん、先生からおはなしありましたよね。潰瘍といっても重症なんですよ、脇田さん。だからゆっくり養生しましょうよ」


脇田さん納得できんという顔をしてそっぽをむいてしまいました

「おれはうそはきらいだ」



わたしだってうそはきらいだ
うそはつきたくない


このころは告知するかしないか半々くらいで
今のようにばんばん告知しましょうって流れではありませんでした

わたしはいつも疑問でした

告知するしない

ではなく

医療のあり方、医療そのものに対して




脇田さんは日に日に痩せ衰え、食べ物もほとんど摂らなくなっていました
ベッドの上でもひとりで座っていられません
ぼーっと外を見てる時間が長くなりました
背中をさすってくれ
という声もかすれ、聞き取りにくくなってます

「なぁ お前は田舎の両親を大事にしろよ」

「ん ありがとう」

「昔は孫をよく風呂に入れた。熱いからと嫌がられてもおれは熱い風呂が好きだったなぁ」

「ん 」

「風呂にはいりてぇなぁ」

「ん 」

「風呂入ってもいいって許可が出たら、お前手伝ってくれるか」

「ん あっつい風呂入れてやるよ ドボンて」

「・・・」

「脇田さん、お孫さんに来てもらおうか。お風呂手伝ってもらおうか」



脇田さんわたしに背中さすらせて
窓のほう向いたまま


窓ガラスに映った脇田さん
顔くしゃくしゃにしていました







  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月13日13:51看護婦シリーズ

バトル 5

症例発表というのは
患者さんをひとりを全体的にみて
今どんな状態か
それによって起きる問題をあげ
具体的な対策を立て
実施し
評価する
それを繰り返して安定、解決の方向へ持っていく
それをまとめて発表する、というものです

なんて大変なんでしょう
自分のこともなにも解決できない人間なのに





「背中さすってくれ。そこじゃない、もっと右!」

「へたくそ!」

「もうお前には頼まん!」

「そうですか わかりました。じゃぁ呼ばないでくださいね!」


いつものように脇田さんと闘っていると
奥さんが洗濯物を取りにみえました

「いつもすみません」

物静かな方です
奥さんが文句を言ってるのを聞いたことがありません


「奥さん、ちょっといいですか」


少し奥さんと話してみようと思いました

「ほんといつもすみません。主人頑固で。言葉は悪いけど悪気はないんですよ。言葉が足らないんです。職人気質なんでしょうかね。下の人はかわいがってましたから慕われてました。ただ息子や嫁にはそれが伝わらなくて・・・」


悪気ないのか
じゃぁなんだ

なにかしらにつけ文句を言い、バカアホまぬけといわれつつも
互いに遠慮なく言い合っているうちになんとなく親近感を覚えるようになっていました

「実はナースコールがものすごくて仕事にならないときがあるんです。正直わたしもまいってしまって。奥さんなにか思い当たることありませんか?」

「孫は今専門学校へ行ってるんですが、小さいときからほんとにかわいがってましてね。おじいちゃん子だったんです。それが反抗期に入ってから主人とも口を利かなくなって、息子たちと一緒に出て行ってしまってからは会えずじまいで。ちょうどあなたと同じ年のころだしあなたに重ねているのかもしれませんね」


まじかよ
なんでよ
屈折してるじゃないかよ


脇田さん、ややこしい

好きなら好きと言えばいいのに


「主人、孫や息子たちに会いたいんでしょうね」



むずむず
やばい

情にもろいわたしのココロをつついてきよった
脇田妻、なかなかやる


Kちゃんにこの話をすると

「お前なんか企んどるな」

「脇田さん、孫に会いたいんやろなぁ」

「無茶な計画たてるなよ」


Kちゃんに念を押されました


今でこそ緩和ケアなどという言葉があるが当時はそれほどポピュラーでなく
病状は悪いながらもなんとか安定はしているのですが、時期としてはターミナルです


脇田さんともっと話ししよう

憎さ余ってかわいさ百倍(?)


わたしは迷走を続けます




  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月13日00:54看護婦シリーズ

バトル 4

翌日から家族構成から職歴、何から何まで洗い直しです

「脇田さん何人兄弟なんですか?」

「6人」

「何番目?」

「長男」

「上から順に男、女 って教えてください」

「全部男」


「・・・」

「なんだ」

「いえ、なんにも」


6人全員脇田さん

恐怖!


「おいくつのころから大工さんされてるんですか?」

「14」

「はや!中学生??」

「昔は中学なんかなかったんだ」

「脇田さん若いころもてたでしょう~」


なんて具合に、わたしの見事な話術によって脇田さんの過去が暴かれていきます


「それじゃ家族構成もう一度教えてください。今は奥さんと長男さんご夫婦とお孫さんと住んでらっしゃるんですよね。長男さんはおいくつですか?」

「・・・」


「・・・脇田さん?」

「一緒には住んでいない」

「え?でも入院時のサマリーでは・・・」

「一緒には住んでいない。妻だけだ」



「別棟ということですか?離れとか??」


「こっちにはおらん。出て行った」


入院、転科のサマリーでは6人家族(同居)になっています

「仕事か何かの都合で転勤とか?」


「3年前に孫も連れて出て行った」


そういった後脇田さん、寝っころがっていつもの窓側向いて黙り込んでしまいました

なんだかややこしい話暴いてしまったようです


翌日奥さんが洗濯物を取りに見えたので聞いてみました
息子さん夫婦とお孫さんは脇田さんと折り合いがあわず、3年前に出て行ってそれきり一度も顔を出さない、ということ
お孫さんはちょうどわたしと同じくらいの人がいて、専門学校に通っているということ
本人が言うなと言うので今でも同居しているということにしている
とのことでした


世間体を気にしているんだろうか
そのわりにはあまり人当たりよくないな脇田さん
矛盾してるぜ脇田さん





「脇田さん、おはようございます。お体拭きにきました」

「・・・」

拒否しないのでOKなんだなという感じで全身清拭を始めます
脇田さんは状態が安定しないので入浴許可が下りません
ベッド上で体を拭くだけです


いつものように脇田さん窓のほう向いてあぐらです

こんなにごつごつになってしまって、ベッドで寝てばかり
体中痛いだろうな
しゃんとして気丈に見えるけど
そうとう疲れてるな
この背中


蒸しタオルで肩のところをじわーっとあっためます


あー脇田さん気持ちよさそう

蒸しタオルでなんだかこちらまで凝りがほどけていくようです


「脇田さん、お風呂入りたいですよね」

「・・・」

「熱めのお風呂にずるずる~って入ってみたいですよね~」


「わしも熱い風呂が好きだ」

「脇田さんもですか。わたし小さいころは熱いお風呂がきらいで。母はすぐあっつくするんですよ。いやだったなー。でもじいちゃんはぬるいお風呂でうれしかったなー。でも今は熱好きなんですけどね」


「・・・」






脇田さんと意見が一致したな

確かに一致したな


「脇田さん、入浴許可が出たらお風呂入りましょう!熱めで」

「お前には入れてもらわん!」


「なんで!」

「なんでもだ。お前なんかにできるか!」


決裂です
あっさり決裂です




「くそーせっかく意見一致したのに。なんであんなに頑固なんだ」

ナースステーションへもどりKちゃんにぐちります

「ふふふん」

Kちゃんはあいかわらずのんきです


そんなふうにしてKちゃんや他のスタッフに見守られながら
ますます!脇田さんとわたしの仲は深まってゆくのです







  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月13日00:44看護婦シリーズ

バトル 3

「たんぽぽちゃん、ちょっと来て」

ゆりちゃんに呼ばれます

「だいじょうぶ?あなた。」

「正直もうわかりません。脇田さん、わたしを気に入らないんです。いじめて楽しんでるんです。限界です。わたしを脇田さんの担当からはずしてください」

ゆりちゃんは困ったな、という顔をして言いました


「たんぽぽちゃん、脇田さんで症例やってみない??」

「は???」



このおばちゃん何言ってんの???

ナースなりたてナースは一年に一症例、研究と発表があります
このときわたしはナース三年目で、誰に的をしぼるか迷っていました
そろそろ大きい症例をやらなきゃいけないな、とは思っていましたが
まさか


「脇田さんはたんぽぽちゃんを嫌ってやってるわけじゃないのよ。あなたに親しみがあるから、あなたになら頼みやすいから頼むんじゃないかしら」

「絶対ちがいます!脇田さんは入院のストレスから看護婦をいじめて楽しんでるんです。性格悪いんですよ、あの人」

「そうかしら・・・だったらスタッフみんなにあたってもいいんじゃない?あなただけにっていうのは、あなたにはぶつけやすいってことなのよ。これってすごいことなんだよ?」


そんなこと言って、ゆりちゃん脇田さんのこと全部わたしひとりに押し付けようとしてる
って思いました

その晩直指(直接指導者)のKちゃんにその話をしました
Kちゃんは同期入職ですが、彼女のほうが年上で免許も取っての入職です
なので看護婦としては経験も先輩なんです
でも同期でおまけにアパートの部屋が一軒おいて隣なのでしょっちゅう互いの部屋に入り浸りでした

Kちゃんはしばらくふーんと聞いていましたがやがて目をきらきらさせて言いました
 
「おもろそうやな、その話。やったろやないの、症例」

なんでこうなるの

売られた喧嘩

でもありません

ていうか誰とも喧嘩したくありません





症例をとるときは実名など個人情報は伏せますが
一応患者さんにも了解をもらいます

Kちゃんと一緒に脇田さんにお話にいきました

「というわけで、脇田さんにもご協力お願いしたいのですがよろしいですか?」

「・・・」

「脇田さん、いやだったらいいんですよ。無理言いませんから」


お願い いやだと言って



「・・・それをやるならお前はおれの専属看護婦なんだな」


「専属ってわけではないですが、引き続き担当させてもらいます」

とKちゃん


「じゃぁいいぞ」







「よかったな!おもろい症例にしよな!」

Kちゃん、そこ張り切るとこですか

おもろい症例って



わたしの白衣は灰色から喪服にかわりました(気分でした)



  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月11日23:20看護婦シリーズ

バトル 2

「脇田さん、今夜は脇田さんの好きなじゃことがんもどきですよ」

「お前は夕飯配ったらもう帰るのか」

「そうです。日勤ですので」



「喰わん」


「え?食べたくないんですか?気分悪いの?」


「喰わん!持っていってくれ」


それでも置いといたらちょっとは手をつけてくれるかな
と思っておいていこうとしたらまた怒鳴られたので
ナースステーションで預かることにしました


はぁ・・・むずかしい

準夜ナースに申し送って帰ります

その日はカラオケでアンルイスとブルーハーツを唄いまくりました


翌日

日勤です


深夜ナースからの申し送りで、脇田さん夕飯完食したとのこと

へー食べれたんだ  しかも完食
よかった


「おはようございます、脇田さん」

訪室するとぶかぶかの浴衣、寝たまま後姿で窓のほうを見ています

脇田さんの見ている窓のそとは冬が終わって
公園の木々の枝が少し色をつけはじめ
空も少しずつ青くなりはじめたころです

「脇田さん、きょうはちょっと温かいね。花粉がそろそろ飛び始めたみたい」

「・・・」

「昨日夕食全部食べれたんですね。よかった。気分悪かったのかと思ってたんですよ」

「・・・お前じゃない看護婦が来た、夕べ。夕飯のあと背中をさすってもらおうとお前を呼んだのに」

「わたしは日勤だから帰るって言ったじゃないですか。ちゃんとその後の看護婦に申し送っときましたよ。さすってもらわなかったんですか?」

「・・・」



まだ深夜ナースが残っていたので聞いてみると
準夜も深夜も背中さすってコールはなかったようでした
ただ
「あの看護婦は帰ったのか」
とコールしてきたとのこと

そして
「腹が減った。飯をくれ」
と言ってぺろりと平らげたとのこと


脇田さん謎です

灰色の白衣を床まで引きずるような重い気持ちで他の病室をまわろうとすると


ピンポーン ピンポーン

脇田さんです

訪室すると

「背中さすってくれ」




ピンポーン ピンポーン

「足をさすってくれ」


ピンポーン ピンポーン

「背中さすってくれ」


ピンポーン ピンポーン
ピンポーン ピンポーン ピンポーン
ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン


「ゆりちゃぁ~ん!!!(泣)」

ゆりちゃんは病棟婦長です

あまりに頻回のコールでこれでは他の仕事が進みません
さすがにゆりちゃん

「今度のコールはわたしが行くから、あなたは他の業務やってきて」

それから2、3回コールありましたが
全部ゆりちゃんが行ってくれて、わたしはなんとか他の業務をこなすことができました

でもそのあとぷっつり
脇田さんからのコールが途絶えました


脇田さん いったいなに?

お昼になり昼食を脇田さんの部屋へ運ぶと

「お前おるのになんで来ん」

「わたしは脇田さんだけじゃなくて他にも患者さん受け持ってるんです。それにわたしじゃなくても看護婦来るでしょ?」

「・・・」

無言でまたも窓のほう、そっぽ向かれます

腹立つやら泣きたいやら

そっぽ向きたいのはこっちです






  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月11日22:58看護婦シリーズ

バトル

看護婦シリーズ
書いてるうちに前のがどこにあるのかわからんようになって
その度に大騒ぎになるのでカテゴリ作りました
前のも順番に仕分けいたします



まだうら若き乙女だったわたしは、とある町の総合病院に勤務していました


個室の脇田さん(仮)のナースコールが鳴ります

「はーい どうされましたか?」

「・・・」

「いまうかがいまーす」


「失礼します」

「・・・」

「どうされましたか?」


「・・・背中が痛い  さすってくれ」


脇田さんは確か胆のうだったか膵臓だったかの癌でした


「どの辺ですか?ここ?」

「そこじゃない もっと上  もっと右!」

「この辺?」

「もっと右!!」


「へたくそ!もういい!!」

脇田さんは元大工の棟梁 75歳 
頭はつるつる眉毛は黒々してて眉尻はぴっと跳ね上げたように上を向いていて、その下に丸い大きな目が光っています
鼻筋も通っててなかなかのいい男やったんやなぁという感じです
が、気質の荒さもその顔に表れています
最初のうちは抗がん剤の治療も積極的にしていましたがどれも効果がはっきりせず、癌細胞はゆっくりと脇田さんを蝕み今では肺や腸にも転移しており
入院時はがっちりしていた体も今は細くなってしまって、ベットの上で寝たり起きたりがやっとになっていました



脇田さんに怒鳴られ背中になんやら灰色の雲を背負ってナースステーションに戻ると、

「どうしたの?」

と先輩ナースに話しかけられます

「脇田さんに怒られました」

「え~?脇田さんに??」

「なんか脇田さん、わたしのこと嫌いみたいです わたしも脇田さん苦手です」

苦手も何も、脇田さんはわたしの担当でした  逃げれません
かわいそうやけど脇田さんも逃げれません

そういう端からまたナースコール

脇田さん


「はーい うかがいまーす」「わたしが行ってみるわ」

と先輩ナースが走っていきました


死んだ魚の目のように目の下にどろーんとクマをつくって座っていると
同期入社で先輩ナースのKちゃんがスキップでやってきます

「なんちゅう顔  ばけものか」

「Kちゃんはいつも陽気でいいね」

とため息

「上田さん、こいつのそばにおると陰気くさいのがうつるから散歩でも行きましょうね~」

なんていってKちゃんは認知症の上田さんを車椅子に乗せて鼻歌まじりに行ってしまいました
Kちゃんはさぼりの天才であり、わたしの師匠でもありました


脇田さんとこに行っていた先輩ナースが戻ってきました

「どうでした?」

「ん?なんかね アメ玉とって だって  わたしも一個もらっちゃった」

そう言って先輩ナースは受け持ちの患者さんとこへ行ってしまいました

(脇田さん・・・アメ玉くらいさっきわたしが取ってあげたのに)

しばらくするとナースコール
脇田さんです

「はい うかがいまーす」

訪室すると

「なんだ お前か」

「・・・どうされましたか?」

「背中が痛い  さすってくれ」

「どのへんですか?」

「そこじゃない もっと上  右!」

「この辺?」

「そこじゃない! ばかもの!」


もう泣きそうです
ていうかついさっき先輩ナースが来たときにはさすってもらわなかったんでしょうか


「お前は親は元気か」

「は?」

「親や肉親はみな元気か と聞いたんだ」

「はい おかげさまでみんな田舎で元気にしてます」

「そうか」


あとはベットの上でがりがりの身体で胡坐をかき、無言で背中をさすらせます


(あ~腕だるいな~  まだかなー)

心の声が聞こえたのか

「もういい 夕飯の後でまたやってくれ」



え  またですか  ?


この日は日勤で夕飯を出したらさっさと帰ってみんなでカラオケです
のはずなんですけど・・・


「脇田さんが夕飯の後に背中さすってほしいって言ってました またたぶんコールされると思います」

一応準夜のナースに申し送っておきます


エレベーターのドアが開きおいしそうな匂いが漂ってきます
夕飯出しです
栄養士の新田さんがガラゴロと配膳車を押してきます

「あ たんぽぽちゃん がんもどき余ったの持ってく?」

「いるいる!」

「後で寄って」


大病院なのにこんなことがまかり通るのもこの病院ならではです


「脇田さーん 夕飯です」

脇田さん、窓の外を見てぼんやりしています


  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月11日22:52看護婦シリーズ

春なので

コーヒーのいいにおい

このにおいは
なんかなんともいえずほっとする


コーヒーはひとりでのむものだなぁ


と 

つねづね思うのだ




どんなに凍みても氷っても
時期が来たらちゃんと融けるんだな

どんなにあばれてもしがみついても
時期が来たらちゃんと前に進むんだな


ところてん方式

便秘はよくない



いっぱい出しましょう




近年女らしい格好をしていない


娘に

「授業参観のとき、お母さん お父さんみたい」

と言われた

「ザック背負って、Gパンやし」

「でもひらひらふりふりは恥ずかしゅうて着れん」

「別に着んでもいい」


会話は途絶えてしまった


いいじゃないか

卒業式はともかく、入学式はだいぶがんばったぞ

髪もハーフアップにしてキレイな髪留めつけたやんか

お母さんはひらひらふりふり 苦手なんじゃ


無茶を言うな






着てみようかな




いや やめとこ





今日はあったかいのぅ

春かのぅ
 

やっぱ春かのぅ





  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月10日14:57スキマ

ちくわぶLIVEのお知らせ

昨日は勝手に迷路へ入り込み
ご迷惑をおかけしました
出口ありました
ありがとうございました
あったかいのか寒いのか
ようわからん気候なので
やっぱりまだまだ灯油は欠かせません
でも今週末は高山祭りなのですね
桜の枝
まだぜんぜん色づいてませんが

この間オオイヌノフグリが小さい青い花をつけてました
クロッカスも咲いています
畑のニンニクも大きくなってきました
ゆっくりゆっくり
行ったり戻ったりだけど
確実に春はやってきているのだよ
そうなのだよ


そこで
なんともココロ踊るお知らせです





2012.4.30(祝・月)

高山「ピースランド」にて 「ちくわぶLIVE!!!」


start 19*30 ¥2000(1ドリンク付)

岐阜県高山市愛宕町8 0577-34-5356



*ちくわぶ*プロフィール*
2005年3月 EMMA(vo)と野崎理人(gt)で結成。オリジナル、Old Jazz、Bluesを中心とした自由な感じの音楽を奏でる。2回目のライブのリハより熊谷太輔(per)が参加。3人で千歳烏山を中心にライブ活動を行う。EMMAが上り電車に(本人曰く下りは大丈夫だった)乗れなかったため、始めのうちは烏山以外での活動は出来なかったが、なんとか克服(?)して2005年秋頃から高円寺、西荻窪などでライブが出来るようになった。
2007年6月 熊谷太輔「退わぶ」
2009年6月 佐瀬寿一氏のチャイルドオアシスプロジェクトに参加。
2010年1月 一歩堂2010年新春公演「ぐつぐつ」でちくわぶのCDより「キャバレー」が劇中歌として使われ好評を得る。
現在毎月1曲ずつカヴァー曲を配信中。
「ちくわぶ」名前の命名は千歳烏山〈TUBO〉のマツキチによるもの。



ちくわぶHP「ちくわぶ通信」→http://www7b.biglobe.ne.jp/~chikuwabu/



ちくわぶは名前は聞いたことあったんだけど歌は聴いたことありませんでした
それが去年初めて生演奏聞いたんですが
もうどしょっぱつからとりこです
ボーカル・鳴り物のエマちゃんがものすごいキュート!!
ていうか天才です
ギターのリヒトくんの音もなんだかぐあんぐあんきて
少量のお酒で倍飲んだような
なんかお得感満載の彼ら
YouTubeとかで見るのと
生の演奏見るのとではぜんぜん違います
ほんとにほんとにほんとに!楽しいライブです!!
「ちくわぶ」高山発上陸です
GW真っ只中、夢のような時間をお約束します!☆


「黒船ブギ」 ちくわぶ with mikan



http://www.youtube.com/watch?v=hCd_ydQDiXU&feature=relmfu




  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月09日22:53LIVE

ぐーっとちからをいれて

ぐーっとなって考える

考えても考えても
考えてるだけでは何もかわらないのに

あれこれ勝手に思案して

勝手にのた打ち回り

勝手にぐにゃりとなる



結局本日快晴

結局本日も独り相撲


ぐーっとこらえて

でもなにも言えないから

そのうち脱力しちゃうんだな


こんな気持ち

どこへ持っていけばいいんかな


毛玉みたいにぺっ

っと吐き出してしまえたらな



あんなに晴れた空

空に返してしまえばよかったな










  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月08日20:42スキマ

そしてハレの日

それはそれは寒い日のことでした
なれない制服に身をつつみ
まっさらの靴を履き
大きなかばんを背負うひとりの娘がおりました

娘は仲良しの友達と同じクラスになれたらいいな
と、どきどきしながら初めての学校へ向かうのでした


それはそれは寒い日のことでした
なれないスーツに身をつつみ
なれないヒールを履き
転ばないようふんばって歩く母がおりました

母は不安と期待の入り混じった娘の背中を
緊張感漂うセーラー服の白襟を
頼もしく後ろから眺めていました


吹雪はやんで
体育館の二階の窓は
青い空と白い雲を切り取っています


仲のよかった友達とは離ればなれ
ほとんどが初対面の初顔合わせ
たくさんの教科書をかばんに詰め込み
ぎこちない中学生活がはじまります

校舎の水槽におおきな鯉が泳いでいるのを
じっとみている娘
なにを思うその姿

それを見て
産み落とされた瞬間から
すでにひとりの人として
歩き始めていたのか

と今さらながら
はっとする母



寒さのあまり
母子は写真を撮ることも忘れ
足早に
母のひざ掛けを肩に掛けたら
払うことなく
「ありがとう」
と娘
足早に
少し影の伸びた歩道を
寒い寒いと言いながら
ふたり肩をすくめうつむいて
それでも笑いながら
足早に家路についたのでした








  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月07日21:56スキマ

今日の出来事


新しい病院の医療関係者向けの内覧会へ行ってきた
でかすぎて
迷子になった



友達とお茶した
なんと彼女に会うのは今年初だった!
あけおめ

なんと彼女
先月職場をクビになった

デキる人

目の上のたんこぶ
だったんだな

でも辞めれてよかったじゃん



クビやったな


クビになったひと
というのをはじめて見た


なんか楽そうだった


いっちょう一発やったるか




母がメールでややこしいことを言ってきたので
返信が面倒で電話したら
そのあとでまだややこしいメールをよこしてきたので
「なんじゃい!なんやって言うんじゃい!」
とひとりキレていたら
娘が
寝転がってDSやりながら

「びみょうに反抗期やな」

と言った


たまらんな



  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月06日00:03スキマ

粕汁の使われ方

食べ物の写真をブログにつかうというのは
わたしはあまり好きじゃないんだけど

これはもう焼いてるうちからたまらんにおいがしてだ液がわいてきて


一昨日鮭のあらが安かったので
粕汁を大量に作りました
前回作ったときに娘にかなり好評を得たので
調子に乗って母
ずん胴鍋で
大量に作りました
そうしたら娘
魚の粕汁はいやなんだと
肉がいいんだと

ひとりで食べなかんのかー


粕汁メニュー考えました
とりあえずお好み焼きに具を乗っけて焼くことは思いついたのですが

ひとさまからまさかの
アイデアをいただきました


「粕汁で小麦粉を溶く」


このありそうでなかった展開


もう考えただけでおこげのにおいがしてきそうです






においまでお届けできないのが残念ですが
たぶん今まで作ったお好み焼きの中で最高です


お好み焼きとコーヒーは自分で作るに限ります


あ 

娘にもかなり好評でした


よかったー


明日からお好み焼きでいきます

粕汁なくなるまで
粕汁メニューやります



  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月04日23:36スキマ

ひゃー!!


「あべのぼるLAST LIVE~何も考えない」 あべのぼる・AZUMI・山本精一



本日発売


本日届いた

うれしい

今からパッケージ開けて

今から聞くんだ

  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月04日20:45スキマ

「保健室の先生」

「保健室の先生」 ミドリカワ書房
   


http://www.youtube.com/watch?v=pBydpWmrieA&feature=related



このハープのひと いけてる

生ミドシン、ちょっと見たい






  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月03日21:20スキマ

じぶんのこと

わりとぐじぐじ言うんです
いつまでも
けっこう一度こだわるとこだわってしまって
それがでもひとが思ってるところとは違うところでこだわってるので
周りのひとにはわかりづらいと思うんです

そこでない
ここにこだわってるんだ
というと
へ??
と言われるんです
でも相手の
へ??
という顔を見たとたんばかばかしくなり
こだわりはすぅっと消えてなくなるんです
あんがい単純かもしれません


雷ガラガラの台風のような大嵐のあと
うそのように雨が上がり
夕焼けが
雲の流れるのは早かったけど
夕日が雲の向こう側から射しているのがやけにきれいで
雲の縁どりが春の到来を告げておりました




  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月03日20:25スキマ

ちょっとこわくてちょっとおもしろい話

髪が伸びた
かゆい
髪が伸びると
髪の先があたってこそばゆい
今まで一番最高に長い
と思う
いつ切ろう
と思う
この間友達の美容室へ行ったので
ちょっと切ろうと思ったけど
「ほんとに?」
と言われて躊躇してしまい
結局切れなかった
このまま伸びていったら
どこかへ行けるだろうか
わたしはここにいるんだけど
髪の先はずっと遠いどこかの国へ
野原を越えて山を越え
ビルを越えて線路を渡り
大海原をひとまたぎ
髪の先が広大な砂漠に抱かれ
風に吹かれそよそよと揺らぐころ
わたしはおうちのコタツでコーヒーを飲む




  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月03日00:59スキマ

黒い床板

低いところを照らす黄色い灯りの下
読みかけの本を開く
ずんどうのカップいっぱいに出てくるコーヒーをすする
今夜の音楽はCASH
いつもごきげんな音楽でやってくれる
いつも聞いてるはずの音楽も今夜はもっとかっこよく聞こえる
床板は黒ずんでカラフルな膝掛けが色を添える
後ろの男女がハンバーガーをほおばる
ピクルスをかじる

ここに来ようと思ってくるときも
時間ちょっとあるなってときにくるときも
いつもどんなときにきても
知り合いが一人もいなくて
ここは失敗がなく
なんともほっとして
なんともいい気持ちにしてくれる

その小さなお店はガラスの扉をキィと開けて奥へ進むと
昔見たクリスマスの映画のシーンのように
そこにそっとある


  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月02日20:41スキマ

グリーンモンスとラゴン

ものすごいタイミングで見つけた


「自分がどれだけ損を抑えるかだけ考えてるうちは、人がみてオモロイ転がり方するはずがないやないの」


(居酒屋「優」店主 つぶやきより)




さて昼寝(夜寝?)もしたし
シャワーして寝よ








  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月02日01:06スキマ

「バカサバイバー」


「バカサバイバー」 ウルフルズ



http://www.youtube.com/watch?v=7hcS9tLVMkI&feature=related


  

Posted by 女神ちゃん at ◆2012年04月01日18:21スキマ